(肩こりにもつながる腰痛の話)第10話
今回は「ゆるみ腰」のまとめをお伝えしましょう。
「ゆるみ腰」というのは、主に歩行不足になると起こる腰痛です。
腰痛の過半数は「ゆるみ腰」を含んでいる、と言っても良いと思います。
それほど、重要な腰痛なのです。
なぜ、「ゆるみ腰」と命名したかというと、
骨盤の仙腸関節(せんちょうかんせつ)が、
ゆるむことが原因で起こる腰痛だからです。
ヒトの仙腸関節は、
お尻の後ろにある仙骨と左右の腸骨によってできている関節で、
歩行時、リズミカルに骨盤を閉めたり、ゆるめたりと動かしながら、
骨盤を調整し体を安定させています。
「ゆるみ腰」というのは、
仙腸関節の片方、もしくは左右両側の仙腸関節が、
ちょうど、ネジが大きくゆるむが如く関節がゆるみ、
不安定になった状態をいいます。
つまり、骨盤の歯車がかみ合わない状態になるのです。
●「ゆるみ腰」の症状。
軽度であっても歩き方が変わります。
いわゆる「だらだら歩き」はその典型です。
「ゆるみ腰」が慢性化すると背骨も硬くなり、柔軟性が低下します。
代表的な症状は、前かがみの姿勢がとりづらくなります。
また、「ゆるみ腰」になると、腰全体が不安定になるので、
不安定を増強させる、
やわらかいソファーやベッドを無意識のうちに嫌い、
安定感が増す、
硬いイスやベッドやせんべい布団を好みます。
つぎに、片方に「ゆるみ腰」がある場合。
たとえば、10センチの段差があるとしましょう。
目で見て、わかっているのに、足が上がらず、
段差でつまづくといったことが、起こります。
左の「ゆるみ腰」と右の「ゆるみ腰」で症状が異なります。
左の「ゆるみ腰」は、
足のむくみがひどくなり、おしっこの出が悪くなる、
生理痛が強くなる、腰全体が重だるいなどの症状が出ます。
そして、さらに進行すると、
泌尿器、生殖器、消化器などの病気まで進みます。
いっぽう右の「ゆるみ腰」は、
胸や背中が膨張し肋骨や背中の関節が不安定を起こし、
背中の凝りや、息苦しさ、などの症状が出ます。
この状態が、さらに進むと、
呼吸循環器系統の病気にまで及びます。
さらに「ゆるみ腰」のゆるみの程度が悪化すると、
どうなるのかというお話に移りましょう。
「ゆるみ腰」の悪化したものを「ひらき腰」と命名しました。
「ゆるみ腰」がひどくなり「ひらき腰」になると、
多くは、ギックリ腰になります。
●「ゆるみ腰」を悪化させる要因
当然すぎることですが、歩く量が減ることです。
エスカレーターに乗れば自動的に階下に行けるように
歩行不足になると、自動的に「ゆるみ腰」が悪化します。
自転車の多用も悪影響があります。
自転車のサドルは、骨盤にくさびを打ち込むような形となり、
下からの振動とつきあげで、骨盤が開きやすくします。
『不良姿勢』も「ゆるみ腰」を悪化させます。
たとえば、子供が体育の時間にひざを抱えて座る姿勢があります。
これは骨盤がひらき、背骨の湾曲が無くなり背骨全体も丸くなります。
足の投げだし座りも悪い姿勢といえます。
これは、畳の上などで足を投げ出して座る姿勢で、
体育座りと同様の問題を抱えています。
片足を立てて、反対側の足を開く姿勢もあります。
人前では、やってなくても自分一人の時に、
こういう不良姿勢で座ることが多いようです。
あぐら座りも、長時間すると、
左右の骨盤が開く力が働きますし、
背中も丸くなりやすいのであまりオススメできません。
どちらか一方に偏った横座りもしかりです。
まんべんなく、左横、右横と変えて行って下さい。
イスに座る不良姿勢では一方に偏った足組座りがあります。
また、机に向かって真正面に向かないで、
斜めを向いている姿勢も、アンバランスを起こします。
寝た姿勢では、長時間一方に偏った横寝が悪いです。
うつ伏せで本を読む姿勢は背筋や背骨に負担をかけ腰痛になります。
上に上げた姿勢でもコンビネーション良く変えて行えば、
大きな問題にはなりません。問題は、クセになった場合です。
●「ゆるみ腰」の対策法
自力と他力の解消法を説明しましょう。
「正常」→→「ゆるみ腰」→→「ひらき腰」→
と進行していくので、対策法は、その逆の道順となります。
「ひらき腰」は「ゆるみ腰」の段階に戻すことを考えます。
自分でできる「ひらき腰」の症状緩和の方法は、
さらしや骨盤ベルト、腰のコルセットを巻くことです。
痛みやアンバランスを何割か緩和させます。
これらを巻くことだけで、治ることは少ないですが、
「希望」の灯が灯ったことで気力がわいてきます。
回復させたいという前向きな気持ちになることが重要です。
自分で治す方法。
対策1 (歩行療法)
即効性は治療が一番なのですが、
歩行は、中長期的には最善の策となります。
歩くことで仙骨、腸骨、恥骨からなる骨盤環の、
潤滑やバランスが調整されることです。
そして、時間を経ながら全身に良い影響を与えます。
「ゆるみ腰」のひとの骨盤は、
仙腸関節が規則正しく動かなくなっていますが、
正しい歩行を連続で40分ぐらい行うと、
これらの関節が、徐々に本来の動きに戻ってくるのです。
それを、週3回以上、治るまでつづけてください。
対策2(不良姿勢の排除)
あぐら座りや、足の投げ出し座り、一方向の足組み座り、
体育座りなどの姿勢は、骨盤や腰にとってキツイ姿勢なんです。
これらの悪しき姿勢の習慣を日常生活から排除し、
悪化への道をシャットアウトすることも治るためには欠かせません。
他力で治す方法。
対策3(仙腸関節、恥骨結合の整復)
そして自分で治せないレベルまで進んだものは、
もはや治療するしか、方法がありません。
治療法は、針、指圧や様々な手技療法がありますが、
骨盤の整復が一番即効性があると確信しています。
【ポイント】
歩く量が足りなければだれでも「ゆるみ腰」になる。
「ゆるみ腰」は腰痛の半分以上をしめる、真犯人。
しかし、正しく理解し、対処すれば必ず治る。

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