「歩行不足が原因の肩こり-症例1」
Oさんは50代後半の男性。30年前から肩こりがあり、
今までにカイロプラクティック、牽引、はり、マッサージなど、
良いということを片っ端からやったが効果がなかったとのこと。
◇わたし 「何か運動はされていますか?」
◆Oさん 「ハイ、週一のゴルフと、週二のスポーツクラブです」
◇わたし 「よく運動されているのですね。
それで肩こりはマシになりませんでしたか?」
◆Oさん 「それがダメなんですよ、
ほんま肩こりだけは何しても治りませんわ」
◇わたし 「運動は良くされているようですが、歩行はどうですか」
◆Oさん 「よく動いてはいますが、ウォーキングはやってません。
移動はいつも車が中心なんで、あまり歩きません」
〈解説1〉 前回まで運動不足が原因の肩こりと書いていましたが、
このケースのように、一見運動量は足りているのに、
歩行不足があり肩こりが治らないケースがありますので、
今回以降は、歩行不足の肩こりに訂正致します。
◇わたし 「それでは一度検査してみましょう」
〈徒手検査をおこなう〉
姿勢や頭、アゴ、首から肩、背中、腰、股関節、足の関節や筋力、
足の知覚検査など。約10分経過・・
◇わたし 「腰痛はありませんか?」
◆Oさん 「腰痛はありません。肩こりだけです」
少し不安そうな表情で「治る可能性ありますか?」
◇わたし 「検査の結果、首の関節の動きが全域で少し制限されています」
「けれども、首のここが悪いというところはありません」
「それよりも、腰の関節が硬くなっていることが問題だと思います」
(検査で両側のゆるみ腰を発見。それをやんわりと伝える)
◆Oさん 少し戸惑った表情で
「腰は痛くないし、肩こりだけなんですけどぉ・・」
◇わたし 「わかりました。それでは今日は、肩から首の硬くなった関節を
ゆるめて、動くように調整してみましょう」
(今回は、骨盤のことは理解してもらえそうにないので、パス)
◆Oさん 「よろしくお願いします」
〈低周波+軽いマッサージの後、頭頚部の整復術をおこなう〉
(その後、再度簡単な検査を行って、首から肩の動きが良化を確認。)
◆Oさん 「ちょっと、ましになったような気がします」
◇わたし 「そうですか。もし、すぐに元に戻ってしまうようでしたら、
骨盤の障害だと思いますので、結果をみて次回検討しましょう」
〈3日後に再来院〉
◇わたし 「その後の経過はどうなりましたか?」
◆Oさん 「やっぱり、すぐにもとにもどってしまいましたわ」
◇わたし 「前回の検査でわかったことですが、ゆるみ腰といって、
骨盤がしっかりかみ合ってない状態なんです」
「Oさんの肩こりは、これが原因だと見ています」
◆Oさん 「そういえば、昔かかったカイロの先生にも、
そんなこと、言われたことありましたわ」
◇わたし 「Oさんの肩こりは、ふだんの不良姿勢や歩行不足で、
ゆるみ腰が発生したのだと思います」
「その状態が続いたせいで背中も丸くなり、頭やアゴが前に出て、
首や肩が張られた状態になって起こった肩こりだと考えます」
「骨盤の整復処置と、日常の歩行量を増やしてもらうこと、
背中が丸くなる姿勢をなくしていくことなどが必要ですが、
やってみますか」
◆Oさん 「よく、家族からも背中が丸くなっているといわれています」
「この肩こりが治るんやったら、やってみますわ」
〈そして1週間後〉
◆Oさん 「ちょっとましになりました。
何十年もつきあっている肩こりなのですぐには治らんでしょうが、
何しても良くならんかったことを思えば、希望がもてます。
少しでも変わってきたという事実が重要ですね」
◇わたし 「必ず良くなりますから、いっしょに頑張りましょう」
【ポイント】
一見運動量が足りているように見えても、歩行不足という落とし穴がある。
骨盤を一定のリズムで動かし、正常化する最善の運動が歩行だ。

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