(なぜ、歩かないと病気になるのか)
「歩行療法について」-1-
今回から「なぜ、歩かないと病気になるのか」
というテーマでお話することにします。
早いもので歩行療法の指導を始めてから15年になりますが、
多くは健康目的でウォーキングをはじめても、
意外と続かないという現実があります。
いったん歩く習慣がとぎれると、
そのままやめてしまうケースが多いのです。
とぎれてしまう理由は、
夏や冬の厳しい気候をはじめ、ケガや病気など、
とりまく環境の変化で続けられなくなる時期がくるからです。
「外は寒いし、雪が降っている」
「猛暑で歩くと熱中症にかかりそう」
「かぜをひいて、咳が止まらないので治るまで待とう」
など、しょっちゅうペースを乱されます。
それで、そのままになってしまうのです。
「歩くことは体に悪い」と思っているひとは少ないですが、
「歩くことは体にいいらしい」というぐらいの感覚のひとが
多いように見受けられます。
このような漠然とした感覚ではじめても、
自分にとっての歩くメリットが解らないので続かないのです。
だからこそ必要なのが「歩くとどんな変化が起こるのか」という、
未来への青写真なのです。
これからお話しする歩行療法には、
自分で自分のからだを治す。あるいは、
未来にかかる病気を予防するという効果があります。
そうはいっても、
ひとによって年齢・体力・症状は千差万別なので、
個別に歩行法を指導する必要があります。
以前、失敗した例をあげると、
ふだん歩く量が少ない上にあまり体力のないひとが、
いきなり40分の歩行を行い関連の筋肉や関節に疲労がたまり、
始めて1週間後にぎっくり腰を起こし、怖くて歩けなくなった。
また、別の例では、
歩き始めたら、他の人に抜かれるのが悔しくて、
無理やりペースを上げた結果、歩行のフォームが崩れ、
3日で骨盤の仙腸関節の炎症を起こして痛くて歩けなくなった。
このように、歩行量が落ちている現代人の多くは、
特に軌道に乗るまではトラブルが起こりやすいのです。
つくづく、歩くことって難しいなぁと、
考えさせられることも少なくありませんでした。
そんなわけで、
歩行療法は、シンプルであるからこそ難しい。
簡単そうであって、じつはものすごく奥が深い。
ということが言えると思います。
結局、前置きだけで終わってしまいましたが、
それだけ値打ちがあるものだと考えて下さい。
次回からは、歩行療法をより具体的かつ多角的に
説明していきますのでお楽しみに。
【ポイント】
歩くのは簡単だが歩行療法はけっこう難しい。
歩行療法は即効性はないが、習慣にできれば人生が変わる。
からだの自己変革法といえるだろう。

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