43話 『むちうちの正しい治し方』
前回は、むちうち症状後半、急性症と慢性症についてでした。
今回は、むちうちの正しい治し方です。
こんな内容の話をするのは、
ずさんな対処をされているケースが多いからです。
(急性むちうちの治療について)
前にもお話ししたように、はじめの一撃による損傷は、
ほとんどの医療機関で認識されていません。
そして、直後に起こる二次的損傷(頚椎捻挫)に対しても、
かなりの医療機関で、適切な処置が行われていません。
ふつうは、X線検査をして、
骨や関節の位置関係に異常がなければ、頚椎捻挫と診断されます。
X線検査では、神経や筋膜、筋肉など、
軟組織の損傷状態はよく分かりません。
しかし、関節や軟組織損傷の徒手検査法は数多くあり、
その気になれば、かなり正確に現状把握できるので残念です。
一般的に行われている治療は、
消炎鎮痛剤などの投薬、頚椎の固定、安静が中心で、
急性期が過ぎれば、頚椎牽引や各種リハビリが行われます。
この実態に対して思うことは、
初診時にX線検査だけではなく、もう少し詳しく触診したり、
関節や軟組織の徒手検査をすべきではないかということです。
特に一見軽度にみえるむちうち症状に対し、
ずさんな対応をする医療機関がけっこう多いように感じます。
そう思っても、医師に意見は言えません。
この業界では、みなさまご存じの通り、
医師とその他医療従事者の上下関係は歴然としており、
上位組織に逆らうようで、怖くて意見など言えないのです。
話を治療法に戻しましょう。
正しい治療法は、初診時にX線検査を含め、
事故の状況や程度をよく把握し、
関節や軟組織は触診や徒手検査を駆使し、
できるだけ正確に患部の状態を把握することです。
そして、ケースバイケースで適切な処置をすることでしょう。
セオリーは、急性期は、頚椎の固定など「患部の安静」、
損傷部の炎症症状に対して「氷水による局所冷却」。
患部に負担をかけない「日常生活動作の指導」などが必要です。
このように、急性期には、あまり積極的な治療はできません。
(回復期むちうちの治し方)
痛めてから1週間もすると、多くは回復期に入ります。
この時期もケガの程度や個体差により千差万別なのですが、
患部の熱が引き、圧痛が改善してきたら、
はじめの一撃によって痛めた、上位頚椎の整復が可能です。
(安全性が高い頭軸圧法)
関節や軟組織も痛めない方法として頭軸圧法があります。
頭軸圧法は、体の中心軸に合わせて頭から圧を加える方法で、
頭骨、頚椎、軟組織をひっくるめて回復させる整復術です。
ボキッとも、グツッとも鳴ることはありませんし、
数kgの軸圧を数回程度加えるだけですから、
知りうる限り、最も安全な治療法といえます。
ただし、高い診断力が必要となります。
徒手検査の精度をはじめ、精緻な触診力など、
技術の習得には最低数年以上かかるのが難点です。
この頭軸圧法は、頚椎の生理特性にかなっていますので、
たとえ、むちうち損傷により関節のズレが生じたとしても、
施術後、直ちに改善に向かいます。
はじめの一撃によって生じた上位頚椎のズレも、
この整復術により、多くは元どおり復元されます。
回復期で炎症症状のあるむちうち症状でも、
患部の氷水による冷却法と組み合わせることで、
最高のパフォーマンスが得られます。
(何年も経つ慢性のむちうちの治療は)
10年も20年も前からあるむちうち症状の場合、
問題は、関節の変形やこわばりなど、
関節の機能低下が著しいことです。
端的にいえば、
損傷した関節が、まるで錆び付いたようになっています。
動きが悪くなったままの関節は、
年月が流れると錆び付いたようになるのです。
その理由は、
関節内に「いばり」というザラザラ、トゲトゲができるからです。
(一度できた「いばり」は自然には治らない)
この関節内の「いばり」は、骨棘ともいわれますが、
ザラザラ、時にトゲトゲして関節の動きの障害となります。
運動、体操やマッサージなどではとれず困りものです。
この「いばり」を取る方法には、
矯正やカイロのバキバキ、ボキボキやる方法がありますが、
関節を破壊するリスクが高いのでとても推奨できません。
安全に「いばり」をとる方法としては、
超音波によって関節内をマッサージする方法、
アクチベーター、ヒットマッサーという
振動器具を使う方法などがあります。
確かな診断力が前提ですが、これらが安全で確実です。
これらの方法で、くり返し「いばり」を取れば、
関節の動きが復元し、多くは健康な関節として機能します。
(その他のむちうち治療法)
対症療法ですが、針治療、吸い玉治療、高圧カプセル
アロママッサージなどは有効です。
(まとめると)
急性期は「氷水による冷却」「安静」
回復期は、「頭軸圧法」と「氷水による冷却」
慢性のものは、「頭軸圧法」と「いばり取り」
そして、必要に応じて「氷水による冷却」
治療は、治療法というより確かな診断力と技術力が大前提。
ということになると思います。
(自分でできること)
急性期の「氷水による冷却」は家で氷のうを使って行えます。
回復期は「氷水による冷却」も同様、また、コラーゲンの摂取や、
歩行療法を行うことで回復力がアップします。
その他、気功、太極拳、祈りなども有効です。
これらを行うだけで治療せずに自分で治せる可能性もあります。
慢性のものは、残念ながら治療が必須です。
次回は、最後に典型的なむちうちの1症例をご紹介します。
---【ポイント】----------------
むちうち治しのキーワードは「氷水冷却」と「頭軸圧」
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