【1】 治療と健康のツボ
●27年間の治療経験の中で学び実践してきた様々な治療法や健康法。
そこから得られた体験、気づきなどをお伝えします。
42話 「むちうち」頚部捻挫の症状
前回は、むち打ちの症状(前半)についてでした。
今回は、症状の後半と急性症と慢性症についてです。
(むちうちの二次的傷害による症状)
はじめの一撃で起こる症状につづいて、
直後に起こる二次的損傷、
首がむちうつように動いて起こる症状についてお話します。
これが、通常むちうちによって起こるとされる症状です。
詳しくは、ネットでいくらでも検索できますので、
ここは簡単に説明しておきます。
主な症状は、首の痛み、頭痛、肩の張り、めまい、手足のしびれ、
感覚異常、だるさ、吐き気、集中力低下、ふらつき、膀胱障害などです。
(むちうちの分類)
☆頚椎捻挫型
頚椎周辺、筋肉や靭帯など軟部組織の損傷が主体で起こります。
首の後ろや肩の痛みは、首を引っ張ったり前屈すると強くなります。
また、首や肩の運動範囲が制限されることもあります。
一説によると、
むちうち症全体の70%以上を占めているとされています。
○この分類では、はじめの一撃と二次損傷の両方が混在しています。
☆根症状型
損傷時、頚椎に歪みが発生すると、
頚椎から出る神経が圧迫されて症状がでます。
首自体の痛み、腕の痛み、しびれや違和感、後頭部の痛み、
顔面痛などが現れるとされています。
これらの症状は、咳やくしゃみ、首を横に曲げる、首を回す、
首肩を一方に引っ張っると増強します。
○この分類も、はじめの一撃と二次損傷の両方が混在しています。
☆バレ・リュウー症状型
バレ・リュウー症状型は後部交感神経症候群ともいいます。
頚椎を突き抜けて走行する動脈が、
ねじれ、引っ張られるなどして、内部の血流が低下することで、
頭痛、めまい、耳鳴り、吐き気などの症状が出るとされています。
○この分類も、はじめの一撃と二次損傷の両方が混在しています。
☆脊髄症状型
頚椎の脊柱管を通る脊髄が引っ張られるなどして損傷し、
下肢のしびれや知覚異常を起こし、歩行障害を引き起こします。
膀胱直腸障害を生じ、尿や便が出にくくなることもあるようです。
○この分類は、はじめの一撃ではなく二次損傷で痛めます。
☆脳髄液減少症 (低髄液圧症候群)
損傷時に髄液圧が急上昇しクモ膜が裂けると考えられています。
脳脊髄液減少症の症状は多彩で様々な不定愁訴があります。
初期の頭痛が特徴的で、気圧の変化によっても症状が変化します。
○この分類も、はじめの一撃と二次損傷の両方が混在しています。
(急性のむちうち症状の特徴)
追突事故直後からしばらくの間は急性期です。
直後から痛みなどの症状が出る場合もありますが、
多くは、2~3日後から本格的な症状が現れます。
中には、しばらくの間、どんどん悪化する場合もあります。
しかし、1週間症状が現れないというケースは希です。
(慢性のむちうち症状の特徴)
急性期に適切な対処をしなかった場合、慢性に移行します。
受傷後6ヶ月も経てば、慢性のむちうちと考えています。
はじめの一撃によって痛めた、
上位頚椎の捻挫と、その結果生じる関節のズレが、
手つかずのまま残っているケースが非常に多く見られます。
また、二次損傷で生じた下位頚椎、胸郭の関節のズレや、
筋肉、靱帯、脊髄周辺などの症状は、
受傷直後から局所の冷却が不十分なため、
局所の腫れや潤滑不全が残って「うつ熱状態」になり、
不定愁訴を発しているケースが多々見られます。
慢性のむちうち症状の中には、
病院で頚椎の牽引療法をして悪化したものや、
強引なカイロプラクティック、矯正、整体で悪化したもの、
強いあんまやマッサージなどで悪化したものも多いです。
このような不適切な応力を加えれば、
局所に熱を発生させ、症状を悪化させます。
いろんな治療を受けて、いろいろ試してみて、
その結果、慢性症として、10年も20年も、
症状を持ち続けていることが多いのが実態です。
いままで数多く、そんな症例を見てきました。
だからこそ、確信を持って言えるのですが、
悪化を防ぐコツは、
不適切な力を加えず、温めないことなのです。
ハッキリ言うと、何もしないで冷やす方がマシです。
次回は、むちうちの治し方について、
いつものように、自力編、他力編でお話しします。
