47話『むちうち 横からの衝撃』
むちうちの前後方向の衝撃については既に説明しました。
http://kenkokagaku.typepad.jp/blog/2008/10/post-803a.html
(横方向のむちうちとは)
むちうちについて、横からの衝撃については、
全く説明していなかったことに気づきましたので書き加えます。
追突事故のように前後方向のむちうち以外に、
横からの衝撃によるむちうち損傷があります。
たとえば、車やバイクを運転中に、
横方向から車が突っ込んできたような場合などです。
(後ろからの衝撃と横からの衝撃)
前後方向の衝撃については、すでに説明しました。
また、前述の衝突時の初めの一撃による上位頚椎の損傷は、
横方向から衝突した場合にもあります。
その理由は、
尺で計ったような真後ろからの衝撃は少ないからです。
衝突時、上位頚椎はすぐ上に乗っている
頭が向いている方向の影響を強くうけます。
たとえば、仮に衝撃が真後ろからであっても、
衝突時に少し左や右を向いていることがあります。
また、仮に頭が真っ直ぐ前を向いていたとしても、
衝突が斜め後方であれば、斜めからの衝撃になります。
その他、カーブの途中など真っ直ぐ走っていない時もあり、
衝撃を受ける方向には様々な組み合わせ、バリエーションがあります。
何が言いたいかというと、実際の事故では、
後ろからとも横方向とも言い切れないことが多いのです。
しかし、説明する場合は、話がややこしくなりますので、
後ろからと横からは、別々に説明する必要があります。
実際の治療現場では、両方を分解して考え治療しています。
(横からの衝撃で痛める部位)
では、横からの衝撃について続けましょう。
後方からの衝撃に比べ、
経験上、上位頚椎の症状は軽い傾向にあります。
そのかわり、頚椎と胸椎の移行部周辺を痛めます。
場所でいうと、首の付け根あたりです。
そして、左からの衝撃であれば、首の付け根の右側に、
右からの衝撃であれば、首の付け根の左側に障害が出ます。
たとえば、助手席にて前方を向き座っている時に、
左真横から車が直進して突っ込んできた場合は、
右側の首の付け根が損傷します。
生体カンナ効果という力が働いた結果そうなるのです。
左方向からガチンとぶつかった直後に、
首の付け根が左側にへし折られるような力が加わるからです。
重い頭を細い首で支えているので、こうなるようです。
(なぜ反対側に障害が出るのか)
衝撃直後に、左側にガクッと折れまがった際に、
同時に右側の首筋から肩にかけてが引っぱられます。
その結果、左側も損傷しますが、
瞬間的に引き延ばされた右側の首の付け根とその周辺が
反対の左側に比べ大きく損傷します。
なぜなら、瞬間的に引っ張られた場合は、
防御態勢が取れないので、引きちぎられるように痛めるからです。
筋肉や神経などの軟組織、首の付け根の関節などを損傷します。
この場合、症状としては、
右の強い肩こりをはじめ、右手のシビレや脱力感があります。
倦怠感、不眠、疲労感、動悸、息切れ、食欲不振など、
バレ・リュー症候群といわれる、自律神経障害もここに入ります。
(治療および解消法)
外傷による神経の障害は、すぐには治りませんが、
的確な処置をすれば着実に良くなっていきます。
1.首とその周辺の安静
具体的には、頚椎カラーという固定器具にて症状が緩和するまで固定
歩行時に、つまづかないように気をつける必要があります。
2.患部の氷水による冷却
氷水による冷却は抜群に効果があります。
凍傷になる危険がある蓄冷体ではなく、必ず氷のうを使います。
冷水は患部にある炎症症状を鎮め、回復力を大幅に高めます。
特に、歩行後に冷却すると気持ちよくリラックス効果もあります。
3.歩行療法
急性期から歩行療法は可能ですが、
急性期は時間を短くスピードもゆっくり行います。
回復に従い、徐々に歩行時間とスピードを上げていきます。
7割方回復した頃から40分歩行をしっかり歩幅をとり行います。
歩いた後は必ず首とその周辺の熱っぽいところを冷やします。
4.治療は頭部からの軸圧整復法
頭部からの軸圧整復法は急性でも行え安全で効果が高い方法です。
回復期に入れば、針、高圧カプセル、アロママッサージが回復を早めます。
そして、仕上げの段階に入れば他の様々な療法もオーケーです。
1~3は自分で行える方法です。
適切な治療を受けられずに慢性化している場合でも、
これらの方法は有効です。
治療については、
よく理解してもらえ納得できる説明をされ、
技術の評判の良い治療家を探して下さい。
やや専門的な話になってしまいましたが、
きっと、いざというときには役立つ情報だと考えています。
むちうち・交通事故1~6「所長の引き出しより」
http://kenkokagaku.typepad.jp/blog/cat4904734/index.html
---【ポイント】----------------
むちうちは、大別すると横からの衝撃と後ろからの衝撃がある
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