その40最終回(病気とこころ-5-)
おかげさまでこのシリーズも最終回をむかえました。
こころと病気の関係に関する本を読みあさり、
それを基に考え、経験し納得できたことを書いてきましたが
そろそろ一区切りかなと感じたので今回でいったん終了します。
正直このテーマで40回も続くとは思っていませんでした。
前回は、こころが弱ると病気になるのであれば、
こころを強くして、病気を治すことも可能なはず。
そして、こころの力に気づいたひとの治癒力は、
奇跡的な回復へと向かうだけのパワーを発揮する、
というお話をしました。
今回は、これから求められる治療家とは、
どんな治療家なのかということを考えてみましょう。
結論から言うと、
これからの治療家は、知識や技術だけではなく、
こころの達人になる必要があると思います。
治療家に求められることは、専門の治療技術以前に、
「ひとのこころ」がわかることが必要でしょう。
そして、こころがある程度わかったうえで、適切な治療をする。
理想をいえば、病気につながっていく可能性の高い、
そのひと固有の悪しき考え方やこころのクセまで見抜き、
癒してあげると、さらに良い治療ができるのではないでしょうか。
もし、悪しきクセを感じ取ったとしても、
それをすぐに指摘するのではなく、
とりあえず、受けとめてあげることです。
そして、治療家が、立場を置き換えてみて、
そのひとの立場に立ったと仮定してみて、
できるだけ状況を理解してあげることです。
なぜ、そうなってしまうのかという理由を、
考えてみることですね。
まあ、考えても、解決できない問題は多く、
どうしようもない状況が多いことは確かですが、
より、理解してあげようという優しい気持ちが大切です。
過去、このへんのところがよく解らずに、
相手を傷つけてしまった、という苦い経験があります。
以後、けっして批評家になってはいけないと自戒しています。
まず、その悲しみや苦しみに、共感してあげることが大切ですよね。
治療にきて、楽になるどころか、よりつらくなりますから。
こころがほぐれて、こころのパイプがつながり、
同調できてからでないと、素直になれないのですから。
「なんだそれだけか、あたりまえのことじゃないか」
と思われるかも知れませんが、そのとおりですが、
当たり前のことができていない現実があります。
こころを楽にしてあげる効果は、気休め程度ではなく、
こころが同調しないと、思うような治療効果も上がりません。
こころのベクトルを良い方向へと切り替えるためには、
同調は、どうしても避けて通れないことだと思います。
それができたら、つぎに進めますからね。
つぎにすべきことは、そっと背中を押してあげて、
何らかの具体的なアクションを起こすことでしょう。
アクションといったって、苦しんでもがいているひとに、
いきなり「歩いてください」なんて、とても言えません。
もし、ひとりでできる良い方法があったとしても、
やる気が不足していると、エネルギー不足で自力で立てません。
だから、治療行為が必要なんです。
良い方向に導びきたいと思うのは治療家の「本能」です。
その治療家が学び行っている方法が、
西洋医学であれ、東洋医学であれ、
はたまた、その他の代替医療であったとしても、
そのベースにあるのは、良くなってほしいという願いです。
この本能がないひとは、治療家ではありません。
だからこそ、治療家には、こころの学びが欠かせません。
できるだけ多くのひとを助けたいからです。
そして、相手のこころが解れば解るほどに共感でき、
共感し同調できるほどに、良い結果が現れてくる。
つまり、治療効果が高くなるのです。
こころの黒帯になると、
まるで宗教家のように瞬時に相手のこころに同調し、
こころの力を利用して結果を出すことが可能となる。
そう思いますし、それを目指したいものです。
ここで重要なことは、いくら、こころの力といったって、
テレパシーで会話するわけにはいきません。
重要なツールやテクニックはいろいろありますが、
主なるコミュニケーションは会話ですから、言葉の力が大切です。
こころの力が言霊となり、それが治癒力を高めます。
心のこもった言葉と、薬の併用であったり、
整体の併用であったり、鍼灸の併用であったり、
食養生の併用であったり、
それぞれの専門によりいろいろあるでしょうが、
会話のなかで、心のこもった言葉+専門の治療が必要です。
これらが、私心なくうまく流れたときには、
天の助けを得たような奇跡的な回復を見ることがあります。
そして、ある程度回復して、楽になったことを自覚して、
始めて自立したいという気持ちになれるのです。
治療家と患者の双方が、こころの力をよく理解したうえで、
治療にのぞむことが出来れば、
最高の結果を出すことも可能だと思います。
【ポイント】
これからの治療家は、こころの力をよく理解し、
専門の知識や技術とともに、心のこもった言葉を使い、
治療効果を高める時代がくる。ただし、私心は禁物だ。
