(肩こりにもつながる腰痛の話)第18話
椎間関節性の腰痛 (いわゆる背骨の痛み)
-4- 椎間関節痛の症例
前回は椎間関節痛の治し方について、お話ししました。
今回は、実例の治療風景です。
よりリアルに「椎間関節痛」をご理解頂ければ幸いです。
竹田 浩さん(仮名)は46歳の男性。
事務仕事中心で毎日パソコンを長時間使用。
3年前から首・肩・背中・腰など、背骨全域と
その周辺にわたるこり感、痛みを感じるということです。
◇わたし「姿勢や長時間のパソコンが原因だとお考えですか?」
◆Tさん「そうだと思います。あと関係があるとすれば、
5年前に仙骨を骨折したことでぐらいです」
◇わたし「それは関係あるかも知れませんね」
「骨折や打撲など外傷が原因の障害は意外と多いですよ」
◆Tさん「腰は分かりますが、首や肩まで影響があるのですか?」
◇わたし「背骨を通じて全身に及ぶこともあります。ふつうは、
下から上の方へ影響が広がっていくパターンが多いですね」
◆Tさん「その辺のところも診て頂けますか?」
◇わたし「了解しました。徒手検査をすれば分かりますので、
さっそく調べていきましょう。」
1.立位での検査
(立位で前屈、後屈をして頂き、動き方、範囲、張りや痛みを調べる)
2.座位での検査
(首の回旋、大きく口を開けての回旋、側屈、頭の熱感
肩関節の動きや反応などを調べます)
(ベッドに腰掛けた状態のまま、両腕を軽くくんでもらい、
両肩を使って背中を左右に捻ります。)
3.仰向けでの検査
(ベッドに仰向けに寝て頂き、骨盤の押圧、母趾の背屈力、
足関節の動き4種類、膝の屈伸状態、股関節の動き3種類
下肢の知覚検査を行います。)
4.うつ伏せでの検査
(胸椎、腰椎、仙骨の圧痛、足の持ち上げ、膝の屈曲を診ます)
これらを10分ほどの間に検査します。
問診と併せて上の検査をすることで様々なことが読み取れます。
各パーツの歪み状態をはじめ、その連結を通じての全身の歪み。
過去の外傷の瘢痕、内臓の機能失調までわかります。
(検査が終了して骨模型を使って説明をする。)
◇わたし「検査の結果、左のかみ込み腰が見つかりました」
「おそらく仙骨骨折の時に同時に痛めたものでしょう」
「とりあえず、これをもとどおりに復元しましょう」
◆Tさん「お願いします」
(その後、低周波を15分、同時に仙骨周辺を氷水で冷却する。
その後低周波終了し、仙腸関節を超音波治療する。
つぎに体全体を触診マッサージした後、患部の整復術を行い、
かみこみ腰の消失を確認し終了。 所要時間は1時間強)
(そして20日後、二回目の治療で来院)
◇わたし「前回の治療後何か変化はありましたか?」
◆Tさん「腰、首の痛みは取れました。」
「あと背骨の痛みが残っているんです。」
◇わたし「椎間関節の痛みですね。前回、椎間関節の治療は、
行っていませんでした。今日はそこを重点的に治療しますね」
●(ここからが椎間関節痛の治療開始です)
(前回の検査をさっと復習し、からだの変化を記録した上で
少しゆるみが見られる左右の仙腸関節を整復術でしゃきっと復元させ
椎間関節痛を除去する下準備をする。
つぎに頚部の不安定を頭軸圧整復術にて解消させる)
(それから、いよいよ胸椎から腰椎まで、
17本の椎骨にからむ椎間関節のひとつひとつをチェックした上で
ウォーターベッドにうつ伏せに寝かせ、
上方から前出(114号で紹介)のリダクターを使って、
椎間関節をひとつひとつ丁寧に整復していきます)
(その後、椎間関節の動きの確認、痛みの消失を確認した上で)
◇わたし「関節の状態は良くなりましたが、具合はいかがですか。」
◆Tさん「ずいぶん楽です。体が捻れるようになりました。」
◇わたし「2回で症状はすっかり取れましたが、
姿勢や生活習慣が変わらない場合は、また、出てきます」
「抜本的に治すには歩行習慣が必要だと思います。」
◆Tさん「わかりました。できることから見直します。」
(椎間関節痛を訴えられる方の多くは、
椎間関節の単独症状としてではなく、
骨盤や頚部、胸郭の機能失調との合併症がほとんどです。)
肩こりの多くは、肩以外の原因がもとになって起きています。
肩だけ治療していて治らない方は、一考の予知がありそうです。
【ポイント】
ほとんどの椎間関節痛は、単独に起こるのではなく、
骨盤や首肩、顎などの不調とともに発症する。
だから、背中だけ治療しても治らないことが多い。
