(肩こりにもつながる腰痛の話)第22話
前回はひざや股関節からの腰痛の解消法を説明しました。
今回は、最近の症例の中から一例を取り上げてみますので、
みなさまや周りの方の疑問解消の一助となれば幸いです。
『ひざと股関節と腰の関係』 -4-ある症例
宮本絵里子さん(仮名)は65歳の女性。
12年前から健康のために週2回、社交ダンス。
2年前から時々ひざ・股関節・腰痛があります。
今回は、急性の右膝の痛みで来院。
◇わたし「ひざを痛められたのですか?」
◆Mさん「そうなんです。ダンスの練習が堪えたみたいです。」
◇わたし「途中に捻ったのですか?」
「それとも、徐々に痛くなってきたのですか?」
◆Mさん「だんだんと痛くなってきたんです。」
「帰りは、足を引きずって家まで帰りました。」
◇わたし「わかりました。それでは調べてみましょう。」
(検査スペースに移動してさっそく検査開始。)
1.立位での全身検査
(きおつけの姿勢で上体を前屈、後屈をして頂き、
全身の動き方、動く範囲、張りや痛みを調べます)
2.座位での検査
(ベッドに腰掛けた状態のまま、両腕を軽くくんでもらい、
両肩を使って背中を左右に捻ります。背中の捻れ度、痛み、
張りなどを調べます。足腰との関連がある程度分かります。)
3.仰向けでの検査
(ベッドに仰向けに寝て頂き、骨盤の押圧、母趾の背屈力、
足関節の動き4種類、股関節の動き3種類、下肢の知覚検査と
膝の屈伸・内外旋他、腫れ、発熱の有無、を調べます。)
4.うつ伏せでの検査
(胸椎、腰椎、仙骨の圧痛、足の持ち上げ、膝の屈曲、
ひざ裏の圧痛、腫れ、発熱などを調べます。)
(これらを数分間で検査します。)
問診と併せて上の検査をすることで様々なことが読み取れます。
各パーツの歪みをはじめ、その連結を通じての全身の歪み。
過去の外傷の瘢痕、内臓への関連などが解ります。
(検査が終了して骨模型を使って説明をする。)
◇わたし「ひざの内側に炎症を起こしています」
「股関節は炎症はありませんが硬くなっていますね」
「右の骨盤もしまり腰となり、動きが悪くなっています。
どうやらダンスで右の股関節に過剰な負担がかかり、
しまり腰が先に発生したようですね。
その結果、ひざに捻り力が働いて炎症が起こったようです。」
◆Mさん「治りますか?」
◇わたし「ひざの炎症は、氷水で冷却し屈伸をひかえることです。
歩行はオーケーです。整復すれば楽になりますよ」
「股関節は、炎症はありませんので、整復すれば即治りますし
なりより、ひざへの負担が軽くなるのでひざが楽になりますよ」
「そして、骨盤を整復するだけで楽に歩けるようになります」
(その後、股関節、腰部に低周波を15分、
同時にひざ内側と仙腸関節周辺を氷水で冷却する)
(終了後、まず、股関節を整復し内外回旋障害を取る)
(次に、ひざ関節のかみ合わせを二人がかりで整復しする)
(つづいて仙腸関節の「しまり腰」を整復し関節の潤滑を回復する)
(最後に、ひざと仙腸関節に消炎ハーブジェルを塗り込み、
そしてテーピング処置する。 所要時間は約40分)
◇わたし「歩いた感じはいかがですか?」
◆Mさん「ものすごく軽くなりました。」
「ひざの痛みも取れました。歩きやすいです」
◇わたし「痛みはましでしょうがびざの炎症は残っていますので
練習を休んで、歩いて冷やすをくり返し、大事にして下さいね」
(その14日後、同様の治療を施し以後順調に回復)
(しかし、その12日後に反対のひざの痛みを訴えられて来院。)
◆Mさん「あの後、右ひざは楽にして頂いたのですが、
今度は反対の左ひざが痛くなってきました。」
(検査をしたら、左ひざ前に炎症症状あり、腫れて水腫あり
仙腸関節も右とよく似た症状あり、類似の処置を加える)
(ひざの冷却、ひざの整復、ジェル塗布、テーピングを行う)
(左仙腸関節のしまり腰を整復、シップ、テーピングを行う)
◆Mさん「治療をして頂いて一変に楽になりました。」
◇わたし「右ひざをかばって痛くなったのでしょうね。
しばらく治療をつづけましょう」
(それから1ヶ月後、4回の治療で左ひざの痛みは消失する。)
(以後、コンディショニングのために2週間に一度ペースで来院。)
【ポイント】
ひざ、股関節、腰(仙腸関節)は連動して動いている。
痛いところだけの治療では木を見て森を見ずになりかねない、。
特に経過が思わしくない場合は再検討が必要だ。
